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厄介な課題とは

地域社会・日本社会・国際社会において、複数の要因が複雑に絡み合い、因果関係が明確でなく、時間をかけて深刻化する課題を、 私たちは「厄介な課題(Wicked Problems)」と定義しています。 これはホルスト・リッテルとメルヴィン・ウェーバーらが提唱した概念で、対義として、原因と結果・処方箋が明確な課題は 「飼い慣らされた課題(Tame Problems)」と呼ばれます。

人口増と経済成長が続き、地球環境への配慮が後回しにされていた時代の課題はシンプルでした。 住宅が足りなければ森林を切り拓いて宅地を造成すればよく、企業は良い商品をつくり、価格を抑え、広告を打てば売上を伸ばせた。 明確なニーズと因果関係に基づく「飼い慣らされた課題」の時代です。

しかし四半世紀が過ぎ、社会の様相は大きく変わりました。経済停滞と人口減少は加速し、各地で自然災害が頻発し、感染症や国際紛争も日常化しました。 世界では分断が深まり、国家間の対立も激化しています。 一見遠くで起きている出来事も、サプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰、デジタル空間での情報拡散を通じて、私たちの暮らしに確実に影響を与えるようになりました。

今や、私たちが日々直面するほぼ全ての課題が、単純な処方箋では太刀打ちできない、 複雑で解決困難な 「厄介な課題」 へと姿を変えつつあるのです。

2 つの課題の違い

— Wicked Problems
厄介な課題
  • 関連する要素複数・多様
  • 領域遠方まで及ぶ広範な領域
  • 要素間複雑に絡み合う関係性
  • 因果関係原因・結果が見えない
  • 存在生命体・生物
— Tame Problems
飼い慣らされた課題
  • 関連する要素少数・限定
  • 領域目の前の限定された領域
  • 要素間明確な関係性
  • 因果関係原因・結果が明らか
  • 存在機械・人工物

7 つの厄介な課題

『システミックデザイン』のなかで 筧裕介 は、いま私たちが直面する厄介な課題を、 次の 7 つ に整理して提唱しています。

7つの厄介な課題:人口・経済の谷/孤立・孤独の沼/地球環境の歪/グローバル化の波/情報化の渦/格差・分断の壁/旧制度・価値観の岩
『システミックデザイン』筧裕介 著(issue+design books)より

出典 『システミックデザイン』 著・筧裕介(issue+design books)
本ページの定義・分類・本文は同書をもとに構成しています。

厄介な課題への 6 つのアプローチ

一つの正解がない「厄介な課題」に対して、私たちは現場の声を聞くことから始め、構造を見える化し、未来像を描き、事業へと実装し、人を育て、社会へ広げる。 この 6 つの行き来こそが、issue+design のデザインの仕事です。

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